花を飾る意味を知る
ずっと忙しく働き、
寝るだけの家になっていた頃、
何も置かないミニマムな部屋でないと落ち着かなかった。最小限。
手のかかる物から避けてきた。
もちろん
何も無いから気持ちが鎮まることもある。
それが昨年、緊急事態宣言が始まり、
いやがおうにも在宅を強いられたときに
なんて無味な部屋だと気がついた。
色がない、温かさがない、気配がない。
かつては嬉しかった空間が、
入院生活の体験を思い出させた。
それから、かな。
片付けることと、飾ることの違いを知る。
面倒なものに愛情や愛着が湧くから、
人は役割や自分の気持ちを確認する。
余裕の無かった日々には考えもしなかった。
今求める優しさって、
少し特別なものかも知れないけれど、
生きて騒ぐ愛犬にする様に、
この一年欠かさない様になった切り花や、
ベランダのフラワーポットの寄せ植えに、
声をかけながら水遣りする時に、
小さな愛情らしきものをふと感じる。
支え合っているんだって。